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田力ノート無農薬、無肥料稲作栽培の記録から
2009.01.03 Saturday
日本の人口増加の歴史
本書は山海堂出版だが、残念なことに同社は平成19年に倒産。このため、本書は通常書店で買い求めることができないが、アマゾンドットコムなど、インターネット通販で中古本を買い求めることができる。私は図書館から借りてきて本書を読んだ。 書評で紹介したとおり、本書は沖堆平野の形成過程から、日本の水田面積増加を考察する。このような視点で日本の稲作史を論じたものは異色だが、日本の稲作の歴史を考えるにあたり不可欠な視点となろう。 最初にこの本を読もうと考えたのは、マクロビオティックが提唱する「身土不二」の思想を検証しようと思ったからである。この思想では、健康な生活を送るために、自らが生活する地域で昔から産する食材を食にあてる、といった「地産地消」に通ずる考えを説く。 本書では地形の変遷及び新田開発の歴史から各時代毎の水田面積を明らかにし、それを基に各時代毎に一人当たりの米消費量を算出する。結果、日本人が満足に米を食べることができた時代は限られた期間のみとわかる。 米が十分でなければ、その不足分を稗、粟、蕎麦や麦などの雑穀やその他作物、あるいはドングリ食に求めただろうことが容易に想像できる。これが身土不二に対するのひとつの結論となる。つまり「バランス良く、地元の食材をいろいろ食べろ」と。 ところでマクロビオティックでは「玄米」を食の基本に置く。白米食ではビタミンが不足し、甚だしくは脚気となる。白米ばかり食べていた江戸の町民や武士が罹った「江戸患い」がそれである。しかし玄米なら十分にビタミンが補える。そして古来、日本人は玄米食を基本としてきたと説く。 しかしながら先の記述したとおり、伝統的日本の食は米以外の食物の配分が多かった。だから特段に玄米食をせずともそれで十分にビタミンが補える。一部町民や武士が江戸患い罹ったのは、貧しい農民に比較しては米食の割合が多かったからであろう。 そもそも「伝統的」日本の釜は玄米を炊飯するのに圧力が不足する。玄米食が可能となるのは、圧力釜が登場する昭和後期からである。 マクロビオティックはさておき、本書を読めば「地形の変遷」とは即ち「食料供給量の変遷」であり、「食料供給量の変遷」とは即ち「人口扶養量の変遷」とわかる。とするならば、平安朝が栄えたり、封建時代が訪れたり、あるいは戦国の乱世が訪れたりといった時代の変遷は、そもそもは地形の変遷をきっかけとして生じるものでなかったかと思えてならない。 このように本書は日本の歴史を理解するうえでも、重要なファクターを提示している。その意味で本書はもっと注目されて良い。 冒頭に記したとおり、出版元が倒産したから本書も絶版となった。大変残念なことであるが、いつの日か復刻版が登場し、本書が再評価されることを期待してやまない。 ◆ 「日本の人口増加の歴史」を参考とした掲載記事 ・稲作の歴史/日本の稲作の歴史2(弥生時代) 【記:平成21年1月3日】 コメント
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