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【2012年産の新米 出荷開始】

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 いにしえの品種、その野性味が自然栽培でよみがえります。
宮城県色麻町から

【2012年産の新米 出荷開始】

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 自然栽培のササニシキを天日干しにしてみました!おてんとの味わいをお楽しみください。
宮城県色麻町から

【2012年産の新米 出荷開始】

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 でんでんむしむしカタツムリ、自然栽培の六次産業を目指します!
宮城県石巻市和渕から

自然素材の農業資材
工場は津波で流された。だけど竹チッパーは10トン車の下から発掘できました!

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無農薬、無肥料稲作栽培の記録から
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クログワイ(黒慈姑、鳥芋、くろぐわい、えぐ)
クログワイ(カヤツリグサ科ハリイ属)
 関東、北陸以西の本州から九州に分布し、海外では朝鮮南部に分布がある。休耕田で良く見られる。除草剤が効かなくなった抵抗性クログワイも確認されている。主として塊茎で発芽し、その寿命は5年に及ぶとされる。

【稲刈り直前の稲から葉を突き出すクログワイ】

【生育の特徴】
 クログワイは塊茎を分けつさせ発芽する多年生雑草で、水田のような湛水下で旺盛に繁茂する。宮城県では5月末頃から10cm間隔程度で面的に発芽し、8月末頃から出穂するものがある。クログワイの花弁は各種雑草の中では最も地味で、ほとんど目立たない。


【クログワイの穂】

 クログワイは同じカヤツリグサ科で多年生のホタルイと姿が似ており見間違えられることが多いが、クログワイの茎の内部には節があり、ホタルイには無い。このため茎をつぶして、節のあるなしを確認すればクログワイとホタルイを容易に判別できる。


【クログワイの茎の断面】



【農薬を使わない稲作との関係】
 コナギと同様に発芽に酸素を要求せず、また塊茎から発芽するため、コメヌカ除草など農薬を使わない各種抑草方法は無効である。このため有機稲作栽培ではコナギに次いでたちの悪い雑草となる。

 特に不耕起栽培では最も難敵な雑草で、耕起せず農薬を使わずに田面下20cmに潜伏する塊茎の発芽を押さえるのは困難を極める。不耕起水田において、多年生雑草のクログワイは、毎年、確実に繁茂面積を拡大していき5〜6年もすれば水田全面を覆うほどになる。こうなると水稲の大幅な減収は不可避であり、さらに密生したクログワイは稲の倒伏を生じさせることもある。


【クログワイと共に倒伏した稲】


 不耕起を行わない場合においては、稲刈り後の秋耕を行い、クログワイの塊茎を地上に冬の寒気にさらして凍死させる方法も提唱されている。これを行う場合は田面下20cmまで耕起する深耕プラウが必要となるが、あまり深堀すると、今度は田面のササリ(トラクターなど農作業機械のタイヤが田面に埋没し走向に支障が生じる。)が生じるので注意が必要である。
 また仮に深耕しても、地下水位の高い水田では十分にクログワイの塊茎が凍死せず、次年作も前年同様にクログワイが繁茂した事例もある。


【田面に広がったクログワイ(緑の濃い部分)】

 クログワイはコナギやヒエとは異なり、塊茎発芽の雑草であるから、一気に水田全面に広がることはない。しかしながら、一度根付いたクログワイの駆除は困難であり、農薬を使わない稲作を行う場合は最も注意が必要な雑草となる。

【農薬を使わないクログワイ駆除の事例】
 農薬を使わず、水田全面に根付いたクログワイを駆除するのは困難であるが、不耕起をやめ、秋耕・春耕を丁寧に行い、そして田植え後の機械除草を綿密に行うことで、数年かけクログワイを漸減した事例もある。
 田植え後に手取りや機械でクログワイを除草する場合は、6月後半頃から行うのが良いとされる。これは成長初期のクログワイが、まだ塊茎に養分を蓄積しており、早期に除草すると、かえってクログワイの分けつ発芽を促進させてしまう可能性があるためである。
 このように、農薬を使わずクログワイを駆除した事例はあるが、大きな負担が伴う。このため、農薬を使わず稲作を行う場合は水田を十分に観察し、クログワイが確認されたら、繁茂域が小さいうちに重点的にクログワイの除草を行うことが大切である。


【冬期湛水稲作とクログワイ】
 無農薬を主体とし、不耕起や半不耕起と併せて行うとが多い冬期湛水稲作ではなおのことクログワイへの注意が必要である。冬期湛水により形成されるトロトロ層もクログワイには無効で、むしろコナギなどクログワイ以外の雑草を抑草するトロトロ層はクログワイの繁茂に好都合とさえ言える。

 また冬期間、地域によっては冬期湛水水田に白鳥が集まりクログワイの芋を捕食することがある。このため、白鳥によるクログワイ駆除効果が期待されたが、いくつかの事例を観察する限り、ほとんど効果は見られない。
 
【ほ場整備とクログワイ】
 クログワイは塊茎からの発芽を主体とするため、種子雑草のように灌漑水を通じて拡散することは希であるが、ほ場整備などにより水田表土の移動が行われれば、他の水田に拡散してしまう可能性があると指摘する専門家もいる。


【クログワイの塊茎】

【江戸期の記録から】
◆以下、農文協発刊「日本農書全集5 農事遺書」
 (宝永六年 鹿野小四郎 著)より引用

「三 中耕の仕方について」
 
中耕するときはよく草を打ち返し、ひるむしろやくろぐわいなどは少しでも見逃さずに取り捨てるとよい。両者とも比類ない悪草である


◆以下、農文協発刊「日本農書全集6 私家農業談/巻之一 15.除草」
 (寛政元年 宮永正運 著)より引用

 どの雑草もよいものはありえないが、とりわけ、ひろむしろ、くろぐわい、みずかやつりの三種はいたって稲に悪く、稲が実らないばかりか地味もしだいに痩せ、後あとまでも苦労の原因になる。見つけしだいすぐに取り去ることが必要である。これらの草の生える田は、稲刈り後なるべく早く、冬の間に耕起し、深く打ち返しておけば、寒中に土が凍り根も腐って絶えてしまう。【記:平成20年9月11日】

◆以下、農文協発刊「日本農書全集12 農業全書/巻之五 山野菜之類 八.くろぐわい」
 (元禄十年 宮崎安貞 著)より引用

 くろぐわいは懷繊覆曚弔擦ぁ法地栗(ぢりつ)ともいう。「農業全書」には「正月に種子(球茎)を堀り取り、萌芽したとき、土がめなどに土と混ぜて入れておき、二、三月になって水田に移植し、それから芽が成長繁茂した後に分球して植え付ける」と書いてある。冬から春のころ堀り取って菓子とるす。生でも煮ても食べられる。中国では多く栽培して凶作の年には食料とするらしい。わが国では摂津、河内のあたりで多く栽培されているものである。【記:平成20年9月15日】

◆以下、農文協発刊「日本農書全集18 民間備荒録・巻之上」
(宝歴五年 建部清庵 著)より引用

「くろぐわい」
 味は甘く(中略)煮て食べるのがよい。
【記:平成24年11月11日】

◆以下、農文協発刊「日本農書全集17 百姓伝記/巻十三 水草集」
 (年代未詳 著者未詳)より引用

 くわいには白くわいと黒くわいの二種類がある。しかしどの地方でも白くわいばかりを作り、黒くわいは作らない。白くわいの葉はおもだかに似ている。黒くわいの葉は畳を織るいぐさのようである。白くわいは生で食べると少しえぐ味があるが、黒くわいは甘味だけである。ゆでて菓子にし、煎って食べてもよい。【記:平成20年9月20日】

 宮崎安貞の「農業全書」では具体的にクログワイの絵が描かれ、これがまさに現在で言う「クログワイ」と同一のものであることがわかる。これ以外にも日本農業全集の各巻を読めば、クログワイを食用に供するとの記述にしばしば出会う。
 現在では最も手強い雑草となったクログワイだが、かつては食料に共され、そして栽培までされていたとのことであるから、クログワイが持っていた意外な一面に驚かされる。

【記:平成20年9月15日】

◆以下、講談社発行「稲作の起源」イネ学から考古学への挑戦
 (2005年12月19日 池橋宏 著)より引用

 (2003年春、中華人民共和国雲南省タイ人自治区のモウ海にある)市場では、クズイモ、ドクダミの根、ネギ類の根、その他のネギ類、ダイコン、コンニャク、クログワイ、ショウガ、サトイモなどが売られていた。[P87 根栽農耕への旅 より]
 メコンデルタの湿地では野生のクログワイが広く見られる。[P97 根栽農耕への旅 より]
【記:平成20年11月22日】

 上記著書で池橋宏は「移植栽培」という、直播き栽培を主体とする畑作には見られない稲作の特徴に着目し、そして株分け栽培を行う根栽農耕との類似性に着目して、稲作の起源を根菜農耕に求めた。もともとはサトイモやクワイなど、株分け栽培をしていた「水田」に稲が伝播し、今度は稲の株分け栽培(移植栽培)が適用されたとの考えである。
 現在でも、クログワイやクワイなどは水田に多く見られるが、これは、かつての根菜農耕の名残として、そのまま水田に根付いた遺在作物と考える。
【記:平成20年11月22日】

◆以下、八坂書店発刊「野菜の日本史」
 (2000年7月30日 青葉高 著)参考
 
 万葉集には「えぐ」という野菜が歌に詠まれ、クログワイとするのが定説である。以下、万葉集に詠まれた「えぐ」を紹介する。
 
[万葉集 巻十 1839]
君がため、山田の沢にえぐ採むと、雪消の水に、裳の裾ぬれぬ
 
(田鴨解)
 あの人を思い、山の田んぼに行く。沢に入り、冷たい泥に手を入れ、クログワイの球茎を堀る。雪解け水に、着物の裾が濡れながら。

(補記)
 「裳」とは一人前になり、結婚が許された女性が着る着物とのことであるから、この歌を詠んだのは嫁入りを控えた女性だとわかる。
 既に紹介したように、クログワイには甘味があり、かつて菓子として供されていたようであるが、これに加えて消化、解熱の薬用にも用いられたと言われる。
 そう考えれば、この歌は、病に伏した婚約者の回復を願い、冷たい沢に入り、賢明に薬用のクログワイを掘る、といった女性の健気な気持ちを詠んだ歌なのかも知れない。
 
[万葉集 巻十一 2760]
あしびきの、山沢えぐを採みに行かむ、日だにも逢はむ、母は責むとも
 
(田鴨解)
 あしびき(山にかかる枕詞)の、山の沢にクログワイを採りに行く。その日はあの人に会う。例え母に責められようとも。
 
(補記)
 母が責めるのは、クログワイを採りに行くことなのか、それとも「あの人」に会うことなのか、たぶん、後者であろう。このあたり、万葉の時代も現在も、さして違いはない。わからないのは、なぜクログワイを採りに行く日に「あの人に会う」のかである。
 あの人に会って、クログワイをプレゼントするためなのか?とするならば、この時代、クログワイは現在のプリンとかケーキとか、そういったスウィーツに相当する甘味であったことになる。
 現在、稲作農家に忌み嫌われるクログワイであるが、万葉の時代、クログワイには秘めたるロマンがあったのかもしれない。
【記:平成20年12月12日】

◆水田の起源とクログワイ
 稲作は湿地や水辺などで行われたクログワイなど根菜農耕の延長として始まり(参:稲作の起源)、また水田についても、そもそもは稲ではなくサトイモやクログワイなど根菜を植え付ける圃場として始まったとする考えがある(参:水田の起源)。
 とするならば、そもそも水田は主役は稲ではなくクログワイなど根菜類だったことになるわけで、有機稲作など人為の力に頼らない稲作を追求すればするほど、つまり過去の稲作の形態に近づけば近づくほど、かつての水田の主役「クログワイ」が勢いを逞しくするのは物の道理なのかもしれない。
【記:平成20年12月28日】  


▼関連リンク
 ・冬期湛水
 ・コメヌカ/クズダイズ
 ・不耕起
 ・ほ場整備


 田んぼに関わる専門用語と、田力つながりで用いている用語を解説します。
 下記の説明文中「黒」で記す部分は一般的な認められた事項を、「青」で記す部分は、田力つながり仲間で解釈している事項を記載しております。


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