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【2012年産の新米 出荷開始】

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 でんでんむしむしカタツムリ、自然栽培の六次産業を目指します!
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無農薬、無肥料稲作栽培の記録から
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コナギ(子水葱、こなぎ)
 ミズアオイ科ミズアオイ属、東南アジア原産の水田雑草で、主に本州から九州に発生し、北海道では少ない。稲作に付随して日本に伝来したとされ、現在の有機水田では、最も一般的な水田雑草である。
 コナギと良く似た水田雑草にミズアオイがある。かつて食用に供されたと言われるこのミズアオイの古名を「葱(なぎ)」と呼び、ミズアオイを小ぶりにした姿のコナギは「小葱(こなぎ)」と呼ばれるようになったようである。

【生育の特徴】
 コナギは種子で繁殖する一年生雑草である。そして、水田のように湛水下の土壌では旺盛に発芽するが、畑土壌では、めったに発芽しない。このように貧酸素状態で発芽が促進されるのがコナギの特徴である。
 コナギの最初の子葉は細長い形であり、ヘラオモダカと良く間違えられるが、その後丸みを帯びた子葉が出てくる。宮城県地方では、7月中旬頃から、青紫の可憐な花をつける。


【最初の子葉が成長したコナギ、その形からヘラオモダカと良く見間違えられる】


【青紫の花を咲かせたコナギ】

【農薬を使わない稲作との関係】
 コナギの種子生産量は一株当たり1000〜3000粒に及ぶと言われ、除草剤を使わな稲作では、おびたたしい数のコナギが水田を覆うことがある。コナギの葉は緑が濃く、窒素吸収量も旺盛なようである。このため、コナギ密生ヶ所の稲が生育不良となり、黄色味を帯びた姿をしばしば目にする。  
 「田力つながり田んぼ」を観察する限りでは、同じ除草剤を使わない稲作にあっても、施肥を行わない無肥料栽培の水田に比し、施肥を行う有機栽培水田のほうが、コナギが大柄であり、生育も旺盛な印象を受ける。

【農薬を使わないコナギの抑草と除草】
 コナギの発芽深度は土壌表面から1.5cmと浅く、また発芽直後の活着力が弱い。このため有機水田におけるコナギの除草(抑草)は、発芽直後の瞬間を狙って行う場合が多い。


【発芽して間もないコナギの芽、子葉、種子、根の位置関係から、土壌の浅い層から発芽したことがわかる。】

 最も単純な抑草方法は深水管理である。これは、田面水の水深を大きくすることで発芽種子に作用する浮力を増大させ、活着を阻害しようとする方法である。
 コメヌカ除草では、コメヌカの分解課程で生じる有機酸によりコナギの芽を腐食させ、それによる活着阻害の効果を期待して行う。しかしながらコメヌカ施肥は水田土壌の貧酸素(還元)化を促進させる効果があり、これがかえってコナギの発芽を旺盛にするとの指摘もある。
 冬期湛水水田では、水田表面に形成される軟弱なトロトロ層と、イトミミズの活動、深水による浮力効果により、コナギの活着を阻害させる効果を期待している。
 また田植え前に期間を置いて数回代掻を行い、その度に発芽したてのコナギを土中に埋め込むといった方法も提唱されている。
 いずれの方法も、ある程度の効果が期待できるようだが、コナギ除草の決定打にはなりえず、事後の機械除草が重要となる。
 コナギはその旺盛な種子生産能力から面的に生育空間を拡大し、稲の生長を阻害するが、同じ水田雑草のヒエとは異なり、稲に比べれば丈が低い。これがもう一つのコナギの弱点と考えられる。
 この弱点から考察すると、稲の移植後の分げつと成長が旺盛であれば、コナギの繁茂を上回って稲葉が田面を覆っていき、事後のコナギの面的拡大を抑えることができるだろう。このため、コナギに対する最も本質的な抑草は、稲の生長を確実なものにする土づくりや苗づくりにあるのかもしれない。



【面的に密殖するのが、コナギの特徴である。】


【地方名】
 宮城県北地方では、コナギを「ダブ」、「ダンブ」とも呼ぶこともある。

【その他】
 農薬を使わない稲作にとって大きな課題となるコナギ対策であるが、同種のミズアオイがかつて食用に供されていたとの事例をヒントととし、コナギの食用を試行したことがある。天ぷらにしたら、さして問題なく食えた。
 コナギは繊維質が強くなく、口に入れても問題なく噛み切れる。その意味では食用に耐えられるが、若干のアク味があるので、これの処理が課題となるだろう。
【記:平成20年8月29日】

【弥生時代の遺跡から】
 弥生時代の遺跡である板付遺跡や菜畑遺跡からは、現在でも普通に見られるホタルイコナギオモダカといった水田雑草が見つかっている。(参考文献1)
【記:平成21年1月3日】

万葉集には、コナギを綴った詩がいくつか登場する。

[万葉集 巻十四 3415]
 上野伊香保の沼に植る子水葱かく恋ひむとや種求めけむ

(意味)上野の伊香保の沼に植えた子水葱のような女よ。こんなにも恋に苦しもうとて種を求めたのでないのに。

(補記) 現在では、農薬を使わない稲作にとっての大敵なるコナギであるが、この詩にあるように、万葉の頃はわざわざ沼にコナギを植えていたらしい。そして恋する人に比喩するくらい、コナギは可憐な花に思われていたようである。
 もっとも、この当時、コナギとミズアオイは区別されていなかったようで、比喩されたのはミズアオイだったかもしれない。コナギに比べ大柄なミズアオイは、茎も高く伸び、その先に花を咲かせる。鑑賞用ならコナギよりミズアオイが見栄えが良い。
 とは言え、本ブログ著者としては、小さくても可憐なコナギの花に魅力を感じる。暑い夏の日、稲葉をかき分けると、そこにコナギがある。日射しに照らされた青紫の花は宝石のように輝く。

万葉集 巻十四 3829]
 醤酢に蒜搗き合てて鯛願ふわれにな見えそ水葱の羮

(意味)醤と酢に蒜をまぜ合わせて鯛を食べたいと思うものを。私に見せるな、コナギの羮を。

(補記)ここで詠われているように、万葉の頃、コナギは食用の野菜であった。そして、あまり美味とは言えない野菜でもあったようである。ここに詠われた水葱がコナギであるか、それともミズアオイなのかはっきりしない。
 正直に言うと、本ブログ著者はミズアオイもコナギも食した。その感想で言えば、鑑賞用ならミズアオイに及ばずとも、食用ならばコナギのほうが食感が良い。

【コナギの料理方】
 「野菜の日本史」(参照:参考文献2)によると、平安時代の「延喜式」に水田で食用コナギを栽培した記録が残る。またコナギを漬け物にする方法も記されており、下記の如くである。

◆ コナギの塩漬け 「水葱十石料塩七升」
 コナギと塩を1000:7の体積比で混ぜる

◆ コナギの糟漬け 「水葱一石料塩一斗二升汁糟五斗
  コナギと塩、糟を100:12:50の体積比で混ぜる

江戸時代の「菜譜」には乾燥コナギの料理方が紹介されている。

◆ 乾燥コナギ
 6〜7月に取って、熱湯につけ乾燥させる。乾燥コナギを食べる際には熱湯につけて、醤油につけて食べる。


 江戸時代は育苗の関係から、現在より一ヶ月ほど田植えが遅く、6月頃となる。田植え直前に田は代掻きされ雑草は駆除されるが、田植え直後からコナギの種子が覚醒し、盛んに発芽する。このため、6〜7月に取るコナギは、まだ芽生えして間もないものであっただろう。

 現在の農薬を使わない稲作で最も問題となる雑草がコナギである。しかし江戸時代の農書には不思議とコナギの記述に出会わない。この頃の農書に良く登場するヒエクログワイオモダカやヒルムシロであるが、これら雑草と異なり、コナギは農民にとって別の視点で捉えられていたのかもしれない。
【記:平成21年1月9日】

▼関連リンク
 ・冬期湛水
 ・トロトロ層
 ・コメヌカ/クズダイズ

▼ 参考文献 1
 
「弥生時代の知識 」 甲元 真之、山崎 純男  著 
 (昭和59年4月1日 東京美術 発刊) 

▼ 参考文献 2
   「野菜の日本史」  青葉高 著
 (平成12年7月30日 八坂書房 発刊)


 田んぼに関わる専門用語と、田力つながりで用いている用語を解説します。
 下記の説明文中「黒」で記す部分は一般的な認められた事項を、「青」で記す部分は、田力つながり仲間で解釈している事項を記載しております。

 
| 水田雑草 | 18:29 | comments(0) | - | pookmark |
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